大会宣言

2023年7月24日 カテゴリー:お知らせ

第43回定期全国大会
大 会 宣 言

新型コロナウイルス感染症発生から三年が経過し、世界はアフターコロナへと大きく舵を切った。
パンデミック発生当初「不要不急」とされた文化芸術であったが、猜疑心と分断がはびこる世界にあって、再び融和と結束をもたらす役割が再認識され始めている。
しかし、完全にコロナ以前に戻ることは不可能であり、今後は新しい価値観、新しい生活様式に合致した、新しい活動のあり方が求められている。そのためにも、コロナ禍で顕在化した諸課題を解決する必要がある。
例えばフリーランスは、十分な社会保障制度を享受することができていない。オーケストラなどの組織においても、公益法人法の弊害により苦しい経営が続いている。
この数年、音楽ユニオンはこれらの課題にとりくみ、フリーランス新法の成立、文化芸術分野に特化した新しい社会保障制度の構想や、公益法人法改正に向けた大きな一歩を踏み出すことができた。これは正に、音楽ユニオンの旗の下に団結した成果といえる。
また、コロナとは別に、新たな脅威も生まれている。ロシアによるウクライナ侵略は五百日を超え、台湾海峡など、東アジア周辺の軍事的緊張も高まりつつある。
日本に焦点を絞ってみても、狂乱的な物価高、異常な円安は、音楽家の生活を一層苦しいものとしている。それに拍車をかけるのが、本年十月に施行が予定されているインボイス制度だ。
昨年の大会宣言において我々は、労働者の連帯の要となるべく活動することを確認した。四十年前に音楽ユニオンが結成された時もそうであったように、我々は強く、賢く、未来の音楽家のために平和で明るい社会の構築に向け、不断の努力を続けなければならない。
音楽ユニオンには多くの仲間と、積み重ねてきた知恵がある。アフターコロナの新しい社会の中心に音楽をはじめとする文化芸術が位置付けられ、多様性と相互理解を基調とした社会の構築に向け、活動を続ける。

右、宣言する。

二〇二三年七月二十日
日本音楽家ユニオン第四十三回定期全国大会

 

第43回定期全国大会 大会宣言

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