PPT声明

2025年6月20日 カテゴリー:お知らせ

PPTよ、プロの楽団たれ

音楽家の人権を踏みにじり、音楽文化を破壊する運営に抗議する

 

2025年5月28日、日本音楽家ユニオンは、パシフィックフィルハーモニア東京(理事長・日野洋一、以下、PPT)との団体交渉を行った。

その席で、雇用契約を締結している楽団員A氏に対し、PPTは試用期間の開始から正式団員となっている現在に至るまで、正式な給与ではなく「エキストラ料金」しか支払われていない賃金未払いという、明白な違法状態が継続している事実が発覚した。

音楽ユニオンは違法な状態を是正すべく即時支払いを求めたが、同席したスポンサー企業であるSBP(株式会社シルバーバックス・プリンシパル)の顧問弁護士やPPT運営責任者達は、A氏に未払い賃金を支払う条件として「他の雇用楽員全員が終身雇用を破棄し、有期雇用での新契約に合意すること」を交換条件として提示してきた。その上、新契約に移行しなければ廃団にするとの趣旨の脅迫めいた発言も看過できない。

是正義務を“交渉材料”に転用するという極めて不当な行為は、私たち演奏家の労働と人権を否定し、独裁的、かつ一方的に労働条件の引き下げを求めるものであり、重ねての不当労働行為、およびPPTがプロフェッショナルな楽団として機能していない実態を示すものとして、強く抗議する。

この背景には、PPTの実質的な運営を行うスポンサー企業の意向がある。同社は楽団運営の赤字責任を雇用楽団員に転化し、自らの経営責任、使用者責任を否定し続けている。

しかも、運営赤字の解消法として終身雇用の破棄を要求してきているのにも関わらず、庶務雑務をするなら現在の雇用条件の維持を約束するとしている。

音楽ユニオンは、このような実現可能性のない提案に対し、これまで日本のプロフェッショナル・オーケストラが築き上げてきた、演奏家と資本家の信頼関係を棄損するものとして、危機を感じている。

音楽ユニオンは他業界団体とも連携を図り、未払い賃金の即時支払いを求める。そして、この事案を単なる一団体の労働問題と矮小化せず、日本の音楽文化の根幹を脅かす行為として、断固たる姿勢で臨む。

音楽ユニオンは今後も音楽家の権利を守るために行動し、また全国の演奏家・音楽関係者・文化人・聴衆と連帯し、労働者の尊厳と音楽文化の未来を守るため、断固たる抗議と是正要求をPPTに続けてゆく。

以上

2025年6月20日

日本音楽家ユニオン

 

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